すべての革命はのるかそるかである

顔を合わせたとたんに笑顔を分けてくれる人のことはそのとたんに好きになってしまうのですが、岡本敏子さんもその一人でした。ちなみにもう一人は村田兆治さんです。

土の上には床がある
床の上には畳がある
畳の上にあるのが座蒲団で
その上にあるのが楽といふ
楽の上には
なんにもないのであろうか
どうぞおしきなさい
とすすめられて
楽にすわったさびしさよ
土の世界をはるかに
みおろしてゐるやうに
住み馴れぬ世界が
さびしいよ

引用文献「山之口貘詩文集」(講談社文芸文庫)

中道通りを三輪自転車でかっとばし、咥えタバコでニコリともせず走り抜ける男。
山之口は沖縄に生まれ

ぼくの生まれは琉球なのだが
そこには亜熱帯や熱帯の
いろんな植物が住んでいるのだ
がじまるの木もそのひとつで
年をとるほどながながと
気根を垂れている木なのだ
暴風なんぞにはつよい木なのだが
気だてのやさしさはまた格別で
木のぼりあそびにくるこどもらの
するがままに
身をまかせたりして
孫の守りでもしているような
隠居みたいな風情の木だ

誇れる同郷の知性、高田渡は北海道で客死なり。

2005年4月22日。二十一世紀はまだ始まらない。