野菜売場にて

キャベツが積んである台の下に段ボールがおいてあって、そこに開いてしまった葉っぱが捨てられるようになっているのだが、35歳くらいの長髪で派手なシャツの男がその捨てられたキャベツの葉を慣れた様子で袋にぎゅうぎゅうつめてさっさと出口のほうへ行ってしまったよ。そんな作業を見たのは初めてであります。
多分無類のキャベツ好きで毎月のキャベツ代が家計を圧迫しているのだな」などとつまらない想像をして祭りを盛りあげようとするが決して身なりも貧しいようには見受けられない働き盛りの男がそういうことをしていることにとまどいを覚えたのであるが、それともこういったことは生活の知恵ともいうレベルで当然の如く広く一般に行われているのであろうか、などと思わせるほどのナチュラルな一連の動きであった。
彼が完全に視界の外に消えるまで見送ってしまったよ。カートを押す奥さんらしきひとと一緒に消えていたのでした。う