自由からの逃走と余計なお世話

先週の土曜、子供を連れて六本木までケーキとプリンを買いにでかけ、有栖川公園でお昼を済ませ(持参したおにぎりとコンビニで買ったサンドウィッチ、お茶)、明治通り方向に下り、四の橋商店街の入り口を通る。商店街は今夜のお祭りの準備で忙しそう。
クイーンズ伊勢丹で買い物をしようとそのまま白金タワー方向へ進み、タワー横の駐輪場を目指す。
タワー横の公園には同じくらいの年格好の女性がなぜか植え込みなどに数メートルおきに座っており、一様に茶色の紙袋を膝上に抱え、ベーグルを食べている。表情も一様に陰鬱な様子で決して楽しそうには見えない。この近所にある人気のベーグル屋さんですぐ食べる用とおみやげ用のベーグルを購入し、その後吸い寄せられるようにこの公園に集まり無表情でお昼をとる人々。

人間は自由を与えられてもおおよそ同じような行動しかとらない。自由になった人間は不安に苛まれる存在なのだ。

休日の午後に本場ニューヨーク仕込みのしゃれおつなベーグルを目指し白金くんだりまでのこのこ出てきて1時間も並んだ末に公園で同じ目をして同じ表情で黙りこくってもそもそしたものを食べている。
私はあなたたちに言いたい。
「ベーグルなんておいしくないよ!」と。そして「ベーグル食べても幸せなんか来ないよ!」と。
余計なお世話でした。